幾霜::残日録::2007/09/08 (土)

 

2007/09/08 (土)

[Hardware] HDD旅立つ - 22:27:29

 現在川を渡っているところのようです。仙台に持って帰ったらさっさと入れ替えとデータ救出しないと。

[Life] 進化学会2日目感想 - 16:50:24

 朝からポスター。一乗寺の友人宅から晴れて暑い中歩いていったので会場に着いたら汗びっしょり。A0とA1を貼り付けて掲示板を全面使う。うーん、他にそんなやつはいなかったのでかなり目立った。下に縮刷版と論文を印刷したものを置いておいたところ、初めて全部捌けました。
 説明はコアタイム以外も多少の休憩を挟んで何度もやるはめに。そしてなぜか高校生が聞きに来た。高校生ポスターがあったので高校生がポスター会場に来るだろうということはわかっていたのですが、私のポスターを聞きに来るとは思っていなかったので焦りました。尤度って何、最尤法とは、モデル選択とは、なんてところから説明。説明の最中に高校の先生らしき人がものすごく寄ってビデオ撮影をしてくるので気になってたまりませんでした。高校生にどうやって説明するのかでいっぱいいっぱいの状況で気が散ることは勘弁してくれ。

 で、結局他のポスター発表はほとんど聞けず。私の発表を聞きに来てくれたCodonRates開発者のSeoさんの発表をコアタイムが終わってから聞きに行ったらもういらっしゃいませんでした。一応ポスターを見てコドン置換モデルとアミノ酸置換モデルは確かにそうやれば比較できるようになるなと納得。しかしマニアックすぎて聞きに来る人はなかなかいなかったんじゃなかろうかと推測。当然同様の方法で塩基置換モデルも比較できるようになるでしょう。角さんに実装できないか検討します。でも現状のコドン置換モデルの尤度計算の方法にやっぱり問題がある気がするのでもうちょっと待ちかな。対応ソフトも少ないし。

 午後は昼飯食って加藤研訪問。川北さんに聞けなかったP027の説明をしていただく。やはり重要な部分の枝が非常に短いのがネックですね。しかし支持率は極めて高い。これはむしろデータが増えたことによる誤った仮説の支持率上昇なんじゃないでしょうか。特にdata incongruenceの検討とparametric bootstrapによる検証を行う必要があるでしょう。

 その後、受賞講演の倉谷先生のお話。を聞きに行こうとしたら会場入り口前でドラマの撮影をしていて会場にしばらく入れなかった。正面玄関以外も解放しておけよ。その辺ちゃんとマネージメントしろ>京大。で、話の内容はいつもの、と言うべきか。書籍で知っている内容の部分などでちょっと落ちそうになることもありましたが受賞も納得の時間でした。また、東大の仲田さんが教育系猛将教育啓蒙賞を受賞されていました。この流れで行くと次はg-hopさん辺りでは。

 夜はポスター会場だった部屋で懇親会。私が持って行った萩の鶴と共によりぬきの大吟醸が並んだ。やはり一吟が個人的な一番でしょうか。次点は萩の鶴ということで。料理も結構おいしかった。最後に持ち帰り用パックが出てきたのを見て古生物学会を思い出しました。

 懇親会後に三中さんと京大関係者に合流して先斗町の「海」へ。私は斬九郎の純米大吟醸生原酒を一杯いただきました。懇親会の酒で鼻と舌がバカになっていてもかなりうまかった。香りはよく分かりませんでしたが・・・orz。

[Life] 進化学会感想2 - 15:32:16

 3日の続き。

 B07は京大の高見さん。新しい解析方法によってオオオサムシ類の種分化における性選択と自然選択の相対的重要性を明らかにした研究の紹介。この新しい解析方法がクセモノで、その場ではロジックがよく理解できなかった。色々な仮定を持ち込んでいるのでその辺りの妥当性も検証が必要だろう。文と図で説明されたものを読みたい。
 B08は兵庫県立大の田中さん。アユの縄張りの形成と崩壊の非対称性についての数理シミュレーションにより説明の試み。縄張りの持てないアユの増加による妨害の増加によって、縄張りアユの適応度が群れアユの適応度を下回ったときに全てが群れアユとなる。しかし逆に個体数の減少によって縄張りを持った方が良い状況になっても、最初の1匹が縄張りを持とうとした際に他の群れアユからの妨害が集中してしまうために縄張りを持つことができず、全ての群れアユが縄張りを持てるようになるまで縄張りは形成されないという非対称な状況が生じるとのこと。疑問なのは、なぜ群れアユから縄張りアユへはみんな一緒でなくてはならないのかということ。10匹中9匹が同時に縄張りアユに移行するのは何故ダメなのか、上記の説明では納得がいかない。
 B14は北大の渡邉さんによる分岐年代推定に関する発表。現状の化石記録に基づいた分岐年代推定の最大の問題は、その化石が何の祖先なのかが実は明確でないということと、分子系統樹上の分化と形態の分化が一致しそうにないことにある。しかも分子の分化が先なのか形態の分化が先なのかも状況によるためよくわかっていない。それを解決する一つの方策が、「隔離の形成」年代を用いること。隔離の形成年代は分子の分化開始年代と一致するはずなので、その情報が使えるならこれまでより高い精度で分岐年代が推定できる。そこで渡邉さんらは南米とアフリカの割れた年代を双方に生息する淡水魚類における姉妹群の分岐点の較正年代として大量に入れることで高精度な分岐年代推定を目指しているとのこと。着目点はとても良いんじゃないでしょうか。質疑で名大の熊澤さんが指摘されていたように、開裂前に分化していた可能性を十分考慮した年代制約を与えるように注意する必要があるでしょう。問題は適用したい生物によってはそういう情報が得られないということですが。あと、現状の結果として示された図がNJ樹でmultidivtimeによる分岐年代推定を行ったものだったのがちょっとなーと思いました。
 B15は阪大の石渡さんによる完全変態類昆虫の分子系統推定。タクソンサンプリングのカバー率がまだ低いので何とも言えない結果でしたが、とりあえず甲虫は少なすぎるんじゃないかと。系統樹はGAによるMLとのことでしたのでGARLIを使われたのだと思いますが、他のソフトだとどうなるんでしょうかね。GARLIはいまいちどれくらい信用できるのかがよく分からないのでベイズ事後確率やローカルブートストラップも示して欲しかった。
 B16は名大の岡島さんによるイグアナ下目の分子系統。分岐年代推定の結果を用いた歴史生物地理を論じる際に、分岐年代推定結果の95%信頼区間を考慮せずに標準誤差しか考えてないのがいただけない。まぁ95%信頼区間を考慮していたら何も言えないというのは理解できますけども、無理に何かを言うのはやはり問題だろう。どの時代に分化が集中している傾向があるとか、どの時代には信頼区間を考慮しても分化が起きていないとか、その程度のことしか言えないデータからはその程度のことしか言わないのがやはりいいのでは。
 B17は高知大の北添さん。PLoS ONEで発表されたIRDIVTIMEによる分岐年代推定の方法について。Inverse Rateは納得がいきましたがMVSによる補正はさっぱり理解できませんでした。分岐年代推定に用いる樹形が合っていれば分子収斂は検出できてpairwise distanceはともかくとして枝長・OTU間の系統樹上の距離はきちんと推定されるはずですし(もしかしてこの認識が間違っている?)、樹形が合っていても検出できない分子収斂はどうやったら検出できるのか? 多重置換による遺伝距離の過小推定の補正とは違うのか? やっぱりよくわからない。また、例として示された真獣類の起源については補正しても地質記録との矛盾は解消されたようには見えないし、そもそも系統樹・分岐年代推定の結果は枝上の形質状態まで推定しているわけではないので、本当に矛盾しているのかはよく考える必要があるだろう。つまり、真獣類の祖先が有袋類との共通祖先と分岐した年代と真獣類の形質を獲得した年代は一致しなくていいということ。まぁこれは具体例の問題であって方法の問題ではないわけで、とりあえず1点および全て-1点の較正点を入れて推定した際の誤差を他の方法と比較して欲しい。

 以上、初日の感想でした。

[Life] 山奥はやっぱりドコモだけ - 11:08:10

 古座川最上流部で脱輪して分かりましたが、やはり辺鄙な場所ではドコモのカバー率が圧倒的なようです。ソフトバンクやauは話になりません。auもうちょっとがんばってくれよ。

[Science] PHYMLはご利用に注意を - 10:19:29

 最近SPRができるバージョンをも出ていますが、メインバージョンはNJ樹を初期系統樹としたNNI探索しかしませんのでご注意下さい。これに起因する致命的な過ちを含んでいるように見える論文は両手でとても数え切れないくらいあります。某マニュアル本でPHYMLが採用されたことから、おそらく今後も増産されることでしょう。

 個人的にはproportional modelに対応しているTreefinderの方がお薦めです。これも初期系統樹からNNI探索しかできませんが、初期系統樹をばらつかせて大量に生成する機能があり、複数の初期系統樹を指定した場合はそれぞれを初期系統樹にした探索を繰り返してくれますので単発のNNI探索よりずっと安全だと思います。もっとも、どれくらいばらつかせてどれくらいの数の初期系統樹を生成するかはかなり難しい判断になるので初心者が使いこなすのは難しいかもしれません。

追記 - 10:43:44
 PHYMLの入力フォーマットは正確にはPHYLIP形式ではありません。OTU名は10文字を超えてもオーケーのはずですし、OTU名とシーケンスとの間には必ずスペースが必要となっています(OTU名が10文字であっても)。これはPAMLもほぼ似たような状況じゃなかったかと思います。

[Life] 近畿サンプリング行最終日 - 10:00:17

 朝は5時半に起きて即トラップの回収。あまり入っていませんでした。結局、大台ヶ原が一番の大漁でした。さすがと言ったところか。

 トラップ回収後は高速で実家へ。荷物を下ろしてゴミをまとめ、レンタカーの返却へ。タイヤ交換代と休業補償費で2万5千円取られた。タイヤ交換するだけでなんで2万円分も休業する必要があるのか全く理解不能ですね。

 ま、何はともあれ無事ではないもののとりあえず今年の採集は終了でしょうかね。今後は毒論に向けて集中することにします。

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